呻吟語⑱
世運:世の流れへの対処法
「世の中の勢いが有るところには天地も聖人もこれに違えることは出来ない。」
「世人は老人を賤しむが聖王は老人を尊ぶ。世人は愚者を棄てるが君子は愚者を認める。世人は貧困を恥じるが高士は貧困を清いとする。世人は淡泊(なもの)を厭うが智者は淡泊(の中の微妙さ)を味わう。世人は冷清を嫌うが幽人(隠者)は冷清を宝とする。世人は素朴を軽く見るが有道者はこれを尚(とうと)ぶ。」
「今、世の(自称)士は衣服を鮮やかにし、食事を豪華にし、礼儀・法度を飾り立てて煩雑にし、浮ついた怪しい議論をし、歳月を弄び、貪り、(生活の基礎となる)産業(*農業、工業など)を卑しいとする。」
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