呻吟語㉔
「国家創業の君主は明確な法を施行する。しかし太平の世が長く続くと法律が現実離れしたものになり、人心は散漫となって怠けてしまい気力が振るわず、頑固になって融通が利かなくなる。」
「公 の字を強く持しておけば政治は清潔で訴訟は無くなる。私 の字が介入すると騒然となって世界が成り立たなくなる。」
「既に有徳者となった人に過去の小さな過失を声高に言い立てたり、既に功績を成し遂げた人の過去の失敗を嘲笑したりするのはあまりにも薄情なやり方である。君子はそのような事は決してしない。」
*人の小さな過失を責め立てず、人のプライバシーを暴かず、人の悪事をいつまでも覚えていない。この三つが道徳心を養い危害を遠ざけるコツである。
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