呂氏春秋(35)
(介子推の固い節操)
「富貴であれば人を得るのも易しいが、貧賤であればそれも難しい。(介子推のように)利益すら必要としない、世俗とかけ離れた所に生きるのが隠者の理想なのだ。」
(介子推という男は晋の文公が覇業を成すまで仕えた名臣だが、覇業が成ると(もはや主君の為に出来る仕事は無いと)山林に潜み隠者となった者である。文公の苦労時代でも決して主君を裏切ることは無かった。一度引退した後はどんな利益をも目もくれず、隠遁生活を全うした。)
(復讐の論理)
「予譲という者は一国の賢士であるのに、それでもやはり人が自分をどう思い、待遇したかを問題とする。ましてや普通の人なら尚更のことだ。」
(待遇や他人の評価を問題にすることが悪のように思われていた時代にあって、それを肯定している。人間の本質をよく表していると思う。お題目だけで飯は食えないよってことだろう。)
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