大学・中庸(28)
【中庸-17】
「曲なればよく誠あり」
小さな善を一つ一つ推し極めてゆけば、自身を誠実にすることが出来る。
「誠は自ずから成るなり。而(しか)して道は自らみちびくなり。」
誠というものは(元々)自ずと完成しているものである。一方、道というものは自ら(自然に誠へと)導くものである。
*道:人が行うべき行動・規範をいうらしい。
「故に上に居て驕らず、下と為りてそむかず。国に道有ればその言、以って興るに足り、国に道無ければ、其の黙以って容るるに足る。」
君子は上位にあっても下位の者に驕り侮らず、下位にあっても上位の者に背かない。国に道義が行われていれば身を立てて出世できるほどの発言をし、国に道義が行われていなければ身を安全に保って危害を免れるように沈黙する。
*人格者は常に公正な態度を貫き、機を明敏に窺って出処進退を誤らないということ。
*隠遁者(時代の傍観者)の心得としても当てはまる。
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