論語(6)
「古の学ぶ者は己の為にし、今の学ぶ者は人の為にす」
昔の学徒は自己鍛錬の為に学んでいたが、今の学徒は他人からの名声を得る(売名行為の)為に学んでいる。
*いつの時代も、真に学問を修める者と欲望達成の道具として学問を使う者に分かれる。「芸は身を助く」なら良いが、売名目的で学問を浪費するのは如何なものかと思う。
「之を知るは之を知ると為し、知らざるは知らずと為す、是 知るなり」
知っていることは知っていると言い、知らないことは正直知らないと答える。それが真に知るということなのだ。
*知らないことを知らないという事は、本当は難しいことである。
「之を如何せん、之を如何せん といわざる者には 吾(われ) 之を如何ともする無きのみ」
自ら「どのようにすればよいですか?」と質問すらしてこない者に対しては、私としてもどのようにも指導する事は出来ないものだ。
*主体性の無い者を指導することは出来ないという事だ。
「子貢 君子を問う」「まず行う。その言やしかる後、之に従う」
子貢が君子とはどのような人物か尋ねた。君子というものはまず実行し、その説明はその後に行うような人物であるとのことだった。
*実行が無ければ机上の空論となるのみだが、成功事例になったとして説明が完全に後付けというかこじつけになった場合、誤解を与えかねない。その点は注意しなくてはならない。
「君子はこれを己に求め、小人はこれを人に求む」
君子(教養人や人格者)は責任を自分に求めるが、小人(思慮分別の無い者)は責任を他人になすり付ける。
*思慮分別の無い者ほど、何事においても他力本願で、自ら状況を好転させる努力はしたがらないものなのである。
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