2025年01月15日
呻吟語㉖

人情:日々の暮らしの心掛け
「平素、淡泊質素に暮らすのは我々本来の姿である。賑やかで派手に暮らすのは異常な事である。」
「二人の人間が互いに非難し合えばその家は必ず崩壊する。(互いに)自分を振り返り、自らの言葉の誤りを認めれば果てしない効用となる。
二人の人間が互いに自分が正しいと主張し合えば必ず反目して罵り合うことになる。穏やかな言葉遣いで相手の一言を正しいと認めればそれは無限の喜びとなろう。」
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2025年01月14日
呻吟語㉕

「公論というのは大衆の一致した意見というわけではない。たった一人の意見(のみ)が正しければ公論はその一人にある。」
「民を満足させるのは王政の大いなる根本である。」
「邪悪な官吏が邪悪な官吏を推薦し、世俗の士が世俗の士を採用するようでは国を治めることは出来ない。」
「身分が高くなればなるほどいよいよ見聞が狭くなる。逆に身分が低くなればなるほどいよいよ聡明となる。その見聞するところが真実だからである。」
「天下の形勢は無から有が生じ、有から文飾が生じ、文飾から奢侈美麗へと進む。奢侈美麗を続ければ必ず国は亡ぶ。」
「 寛簡 の二字は政治を行う際の根本である。寛でなければ威令は過酷になり、簡でなければ法令は煩瑣になる。」
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2025年01月13日
呻吟語㉔

「国家創業の君主は明確な法を施行する。しかし太平の世が長く続くと法律が現実離れしたものになり、人心は散漫となって怠けてしまい気力が振るわず、頑固になって融通が利かなくなる。」
「公 の字を強く持しておけば政治は清潔で訴訟は無くなる。私 の字が介入すると騒然となって世界が成り立たなくなる。」
「既に有徳者となった人に過去の小さな過失を声高に言い立てたり、既に功績を成し遂げた人の過去の失敗を嘲笑したりするのはあまりにも薄情なやり方である。君子はそのような事は決してしない。」
*人の小さな過失を責め立てず、人のプライバシーを暴かず、人の悪事をいつまでも覚えていない。この三つが道徳心を養い危害を遠ざけるコツである。
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2025年01月12日
呻吟語㉓

治道:統治の理念と方法
「利益となるようなことを興そうとするときにはあまりに急ぎ過ぎてはならない。」
「人を上手く使うには、神妙・人徳・恩恵・威厳が必要だ。」
「優れた天子の世では、人情と礼儀と法律の三者が互いに背き合うことがない。」
*治世の時には四角張って生きてもよいが、乱世の時には丸く生きることが大切である。
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2025年01月11日
呻吟語㉒

「人を教化する立場にある知識人だけは悪事をしてはならない。彼を教化してくれる人がいないからだ。役人は決して法を犯してはならない。役人が法を犯せばさらにそれを取り締まってくれる人はいないからだ。」
「多くの事を学んでそれを覚えようとするのは中人(普通人)以下の学問の方法である。学び方というのは人それぞれだが、知識を統一的に把握できる境地に至らなければ、結局、究極には到達しない。」
「最上の素質の人は自然と悟ることが出来ようが、中人(普通人)にそれを望んではならない。」
「名と実はちょうど形と影のようなものだ。実態の伴わない名は天地自然の忌み嫌うものである。偽善者は名を貪り、人知れず修養に努めるものは名を避けようとする。」
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