ナチュログ管理画面 海釣り・ソルトウォーター 海釣り・ソルトウォーター 北海道・東北 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2021年11月12日

孟子(19)




【尽心 下】

「尽(ことごと)く書を信ずれば、則ち書無きに如かず」

書経(注:五経の一つ)(に書いてある)全てを信じるなら、むしろ書経など無いほうがマシだ。

*丸暗記の否定と、書物の学び方を示唆している。書いてあることを鵜吞みにして疑いも無くなぞるようでは身につかない。テキストの正誤を客観的に眺めることも必要なのだ。

「民を貴しと為し、社稷 之に次ぎ、君を軽しと為す。この故に丘民に得て天子となり、天子に得て諸侯となり、諸侯に得て大夫となる」

(国家にとって)人民が最も大切で、土地や五穀の神がこれに次ぎ、君主は最も軽いものだ。だから民衆の信頼を受けた者が天子となり、天子の信任を得た者が諸侯となり、諸侯に認められたものが大夫となるのだ。

*国家において、人民が最も大切であり、国土(自然環境)がそれに次ぎ、首長が最も軽い存在であると解釈できる。少し強引だが、天子=議員、諸侯=大臣、大夫=副大臣、政務官、と解釈すれば今の日本の政治が見えてくるような気がする。

「心を養うは寡欲より善きはなし。其の人となりや多欲なれば存する者有りといえどもすくなし」

精神を修養するには欲を少なくするに限る。欲が多い人間は仁義の心を持っていても、(寡欲の者と比較して)量的に少ないものだ。

*大金持ちが事業が失敗すると没落してゆく原因は、「生活レベルを身の丈に出来ない」という欲が大部分を占めていることが多い。また、犯罪を犯す者にもこの類の者がいるように思う。物欲、名誉欲、征服欲.....現代人は今一度、不要な欲は何か?と考え、足るを知るという精神を思い出すべきかもしれない。

(孟子 終わり。次回からは 菜根譚 を読み解いてゆきます。)  
  • LINEで送る

2021年11月11日

孟子(18)




【尽心 上②】

「君子に三楽有り。父母共に存し、兄弟故無きは一の楽しみなり。仰ぎて天にはじず、ふして人にはじざるは二の楽しみなり。天下の英才を得て之を教育するは三の楽しみなり」

君子には三つの楽しみがある。父母共に健在で兄弟に事故無く無事なことが第一。天に対しても人に対してもやましいことが無いことが第二。天下の英才を弟子にして教育を施すのが第三である。

「中(ちゅう)を執りて権無ければなお一を執るがごとし。一を執るをにくむところは其の道をそこなうが為なり。一を挙げて百を廃すればなり」

中間をとるだけで臨機応変さがないのであれば一つの方法に固執するのと変わらない。一つの方法に固執するのが悪いのはそれが道の実践に対して害があるからである。つまり一つの方法のみ採用しその他百の(有益かもしれない)方法を捨て去ることだからである。

*権というのは臨機応変な対応の事。常に中間(折衷案や無難な案)を採用するのも、「中間への固執」に他ならないのである。物事を実践する際は、常に状況に合わせたベターな選択をしなくてはならない。  
  • LINEで送る

2021年11月10日

孟子(17)




【尽心 上①】

「其の心を尽くす者は其の性を知るなり」「殀寿(ようじゅ)うたがわず、身を修めて以て之をまつは命を立つる所以なり」

心を極め尽くす者は人間の本性(ほんせい)を理解することが出来る。寿命を疑わず我が身を修養して、そうして死を待つのは天命を全うする方法である。

*心を極め尽くすとはどういうことなのか自分なりに考えてみると、それは人情の機微に精通するということではないかと思う。人間は情を持つ生き物だから、その内面を知り尽くすことが本性を理解することにつながる。
*全てのものには寿命があり、それは人間も同じである。寿命を受け入れ、人生を通じて修養に努め、静かに死を受け入れる。それが天命を全うしたと言える事なのだろう。

「命に非ざるはなし。順(したが)いて其の正を受く」「其の道を尽くして死する者は正命なり。桎梏(しつこく)して死する者は正命に非ざるなり」

この世の全てにおいて天命でないものはない。だから君子は素直に正しき運命を受け入れるのだ。力を尽くし道を全うしての死は正しい運命である。刑死するのは正しい運命ではない。

*刑死するような状況に陥ってはならない、という戒めと、正しき運命に沿って全力を尽くせという激励に感じる。

「学ばずしてよくする所の者は其の良能なり。慮らずして知る所の者は其の良知なり」

学習することなく生まれつき(道を)行える者は、良能を持っている人である。思索することなく生まれつき(道を)知っている者は、良知を持っている人である。  
  • LINEで送る

2021年11月09日

孟子(16)




【告子 下】

「士は官を世々にする無く、官の事を摂せしむる無く、士を取るは必ず得て、専(ほしいまま)に大夫を殺すなかれ」

士は官職を世襲してはならず、(複数の)官職を一人で兼務してはならない。士を採用するにあたっては必ず適材を得なければならない。罪があっても天子の意向を聞かずに(勝手に)大夫を殺してはならない。

*これは、現代の政治家にも当てはまるのではないか?能力に拠らない世襲、兼務という名の権力集中、人材登用の際の人事眼、どれも今の政治の世界にあるような気がする。

「君の悪を長ずるは其の罪小なり。君の悪をむかうるは其の罪大なり」

(君主に過ちがあっても諫めることが出来ずに)君主の悪を増長させるのはまだ罪が小さい。過ちがない君主を過ちに導くのは大罪である。

*君主を過ちに導かないような補佐役が名補佐役なのである。佞臣は存在そのものが大罪なのであるが、過ちを正せない補佐役も自分は同罪だと思うし、名補佐役はしばしば諫臣でもある。

「天 将に大任をこの人に降(くだ)さんとするや、必ず先ず其の人志を苦しめ、其の筋骨を労せしめ、其の体膚を餓えしめ、其の身を空乏にし、行い其の為す所を払乱せしむ。心を動かし性を忍ばせ其の能わざるところを曾益せしむる所以なり」

天が人に重大な任務を与えようとする際は、必ず先ず心や志に苦しみを与え、その筋骨を疲れさせ、体を飢えさせ、窮乏に陥らせ、その行い・結果を乱させる。これはその人物の心を慎ませ、本性を堅固にし、出来ないところを改善させる為である。

*歴史に名を残すような偉業は、みなこの試練をくぐり抜けてきたということだろうか。しかし、自分を律し、初志を曲げず、努力を惜しまなければ大きな仕事を成し遂げることが出来ると言いたいのかもしれない。  
  • LINEで送る

2021年11月08日

孟子(15)




【告子 上】

「人の性の善なるは、猶(なお)水の低きに就くがごとし」

人の本性が善ということは、水が低い方に流れるようなものだ。

*性善説について述べている。水が高い所から低い所に流れるように、摂理に従っているのが人間の本性なのである。

「人の不善さを成さしむべきも、其の性また猶(なお)かくのごとし」

時に人に不善を行わせることが出来るのも、その本性はこのようなものである
(本性は善なのを外から与えた影響によって一時、不善にさせただけだ、という意)

*不善になるのは本性がそうであるからではなく、何らかの外的要因に影響されての事だから、人間の本性が悪であることにはならない。  
  • LINEで送る