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Posted by naturum at

2023年01月13日

氷川清話⑪




「もし我が守るところが大道であるなら、他の小道は小道として放っておけばよいではないか。知恵の研究は棺の蓋をする時に(ようやく)終わるのだ」

自ら任じるところが非常に重要な部分であるならば、他の細かなところは無視しておけ。それが正解かどうかは死んだときに明らかになるのだから。

「人は皆、様々にその長ずる所、信ずる所を行えばよい。社会(=世の中)は大きいから、あらゆるものを包容してごうも不都合はない」

基本的に人の世というのは玉成混合で成り立っているし、清濁併せ呑む大きさがある。しかし、現代はかなりせせこましくはなっているが...

「せっかく人間に生まれてきたからは、その義務として進むべきまでは進もうと思って、始終研究しているのさ」

人間としての修練・修養は死ぬまで終わりはない。

「後進の書生に望むのは、奮ってその身を世間の風浪に投じて浮かぶか沈むか、生きるか死ぬかの処まで泳いでみること、さ」

若い時に危険率の高い状況に敢えて挑むことなしに、大を成す能力は身につかない。若い時に限らず、人間、一度は賭けに出なければならない局面が訪れるもの。その時に勝ちを得るために日々の修練があるのだ。

「ケチな了見で何ができるものか。男児 世に処する、ただ誠意正心をもって現在に応ずるだけのことさ」

小賢しい知恵や術で目先のことに処するのは小利口者、小悪党に任せておく。大きな使命を帯びている者は、正直に正道を歩んで現状に対応するのが成功の秘訣である。

「あてにもならない後世の歴史が、狂と言おうが賊と言おうが、そんなことは構うものか」

自ら信じるところをひたすら行うことが大切である。後の世の評価を気にしては志を貫き通せるわけがない。

氷川清話 終わり 次回からは 山岡鉄舟「剣禅話」 を解読してゆきます)  
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Posted by godman at 12:44氷川清話

2023年01月12日

氷川清話⑩




凡そ仕事を焦るものに大事業が出来たという例がない。こせこせと働きさえすれば儲かるなど言うのは日雇い人足や土百姓のことだ」

人間には小仕事に向くタイプもいるし、大事業を成し遂げるものまで様々である。大事業に向く人間はしっかりとした志と慌てないビジョンを有している。

「責任(地位、権力)を負わせなければ、仕事ができるものではない」

地位や肩書が仕事をさせるという考え。仕事に見合った地位・責任を与えないと能力は伸びないと言っているのだと思う。

「(西郷を例にあげて)人間は子分のないほうがいい」

子弟に担がれて西南戦争を引き起こせざるを得なかった西郷を引き合いに、下の者たちの勢いに上に立つものは流されやすいという戒めである。

「世間は生きている。理屈は死んでいる」

世間というものは日々動き変化しているが、理屈・理論というものはその性格上、どうしても過去のものになりやすく未来の指針にはなりにくい。

「今の若い人はどうもあまり才気があって、肝心な胆力というものが欠けている」

黎明期はどちらかといえば暴力的な行動力とやけっぱちに似た胆力が必要とされるが、安定期に入ると違った能力・才能が必要になる。黎明期側の人間である勝は、その点が気に入らなかったのであろう。

「人材などは(探し出そうと)騒がなくても、眼玉(眼力)一つでどこにでもいるよ」

人材は、見出す側の着眼点次第なんだと思う。

「主義といい、道といって、必ずこれのみと断定するのはおれは昔から好まない」

一つのことに固執しすぎて、柔軟な見方が出来なくなること勝は戒めていたのだろう。
  
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Posted by godman at 12:49Comments(0)氷川清話

2023年01月11日

氷川清話⑨




「十年も五十年も先のことを画一の方針でやってやろうというのは、そもそも間違いの骨頂だ」

目的は明確でなくてはならないが、運用は臨機応変であれ、ということである。

「世に処するには、どんな難事に出会っても臆病ではいけない。『さあ、なんでもやってこい!』という料簡で事を捌いてゆく時は、難事が到来するほど面白みがついてきて物事は造作なく落着してしまうものだ」

これこそ、困難な状況下にあっても物事を好転させるための心構えであろう。どんな状況下でも心の余裕だけは失わないようにしたい。

「成功するまで働き続け、決して間断(休止)があってはいけない。事業が成功する前に根気が尽きて疲れてしまうから大事が(達成)できないのだ」


水が出るまで井戸を掘り続ける!!という継続力と諦めないことこそ、最終的に大を成す秘訣である。

「人間一人前の(こなせる)仕事というものはたかが知れている」

個人の能力では、物理的に出来る仕事に限界があるものだ。

「切り結ぶ 太刀の下こそ 地獄なれ 踏み込みゆけば 後は極楽  、と言うではないか」

危機下にあるときには、逃げるよりはかえって挑んだほうが脱することができるものである。

「人間の元気を減らすののに一番力のあるものは内輪の世話や心配だ」


人間には外患よりは内憂のほうがこたえるようだ。

「(ひとかどの)人物になるのとならないのとでは、ひっきょう自己の修養如何にあるのだ」

ひとかどになろうとなかろうと、自己修養は一生続くものであろう。


  
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Posted by godman at 12:49Comments(0)氷川清話

2023年01月10日

氷川清話⑧




「若い時のやり損いは、大概、色欲からくる」

若年期の失敗は、恐らく色恋沙汰がそのほとんどと述べている。これは案外男女両方に通じることだろう。

島国の人間はどこも同じことで、その日のことより他は目につかなくて、五十年先のことはまるで暗闇同様だ。度量が狭くって思慮に余裕がないからのことだよ」

島国人の視野の狭さ、将来推計の苦手さ、持続力の欠如を痛烈に批判している。秋田県人にもその傾向が色濃いと思われる。

学問に凝り固まっている人は声ばかり大きくて肝っ玉が小さい。(そんな人物で)まさかの場合に役に立つ人はまれだよ」

胆力のある学者は現在も稀であろう。『講釈ばかり達者で、実行力がない』輩はSNS上でもよく見かける。

「自分のこれまでの経歴を顧み、これを古来の実例に照らして静かに利害損得を講究するのが一番近道だ」

講究=調べて解明する、とある。自分のやってきた事と、それに共通点のある実例を客観的に比較分析することが、事業の成功や正しい出処進退を知る近道なのである。

俗物は理屈詰めに世の中のことを処置しようとするから、いつも失敗のし続けで、そうして後で大騒ぎしている」

理屈ももちろん必要だが、人間社会のことは人情の機微を知らなくては(又は無視していては)とても処せるものではない。

「小理屈は誰か学者先生をとかまえて、ちょっと聞けばすぐ分る」

小理屈、とは目先の知恵とか細かなテクニックのことだろう。

「事の起こらない前から、ああしようのこうしようのと心配するほど馬鹿げた話はない

想定して備える、というのと違い、ただ漠然と不安に駆られることの愚を説く。事が起こるということは、何らかの原因が必ずあるはずだから、冷静に分析すれば対応できる。想定外の事は起こった時にダイレクトに対応するしかないのだから、想定できないことへの心配は無駄な労力に他ならない。
  
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Posted by godman at 12:34Comments(0)氷川清話

2023年01月09日

氷川清話⑦




「政治家が宗教に手を出すのは、とんでもない大事を引き起こすもとだ」

宗教というものは非常に取り扱いの難しいものなので、軽率に首を突っ込む類のものではない。いつの時代でも武力・政治力と結びついた宗教団体は国家運営の強力な敵対勢力となると思う。

「剣や鉄砲の戦争に勝っても、経済上の戦争に負けると国は仕方がなくなるよ

まともな国の在り方とは、国民生活の充実と向上のためにあるとしたら、やはり武力に訴える行為は愚かである。戦争をしたしわ寄せは、全てその国民にのしかかってくるのだから。ただ、経済上の戦争での勝ち負けなどというのはもはや現代では意味がないのかもしれない。

「空論ほど無益なものは世の中にはまたとない。空論というものは国が貧乏すればするほど盛んになる」


無益だから空論であるし、実態を伴わない意見同士をぶつけても何も生み出せないものだ。


「他人の打つ手は批評ができるが、いざ自分で手を打ってみると、傍で見ていたようには行けないものさ」

実際、自分でやってみると、傍で見ていたようには全然できないものである。実体験を持たないことに対してあれこれ批評するのは、出来れば差し控えたほうがよい。

「平生、小児視している者の中に、存外 非常の傑物がある」

若くて経験の浅い者や、その若さから自分が侮っている年代の中にも、想像を超える才能を持った人物がいるものである。後生畏るべし、なのだ。

「近頃の人は、みな自分で偉がり議論ばかりしてうるさくて仕方がない」

自己主張だけうまくても、結局主導権の取り合いに心を囚われているから、ただ煩いだけで中身がないことを見抜かれる。

「元来、人間の知恵は未来のことまで見透かすことなど出来ないのだから、過去のことを書き記した歴史というものに鑑みて将来を推測しようとするのだ」

将来を見通すには、先ずは過去・歴史に学べということ。その法則性を見つけることが【歴史に学ぶ】ということだと思う。
  
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Posted by godman at 17:25Comments(0)氷川清話