2021年02月22日
フジゼロックス スーパーカップ 2021

【川崎フロンターレ 3 (前半 2 - 0 ) 2 ガンバ大阪】
試合開始前は、「川崎の守備練度」VS「G大阪の攻撃強度」になるとみていたが、川崎がうまく受けきって試合をモノにした結果となった。
若手、特にG大阪のフレッシュな顔ぶれ(小野瀬、川崎、山本)が印象に残ったが、ただ、遠藤保仁のようなキーとなる選手が見当たらず(倉田にしても矢島にしても井手口にしても、遠藤のレベルには到達していないし、タイプも違う)、展開力と展開スピードにやや難が残った。
宮本監督の戦術もかなり浸透していてレベルアップを感じるし、戦略も非常に面白いと感じたが、もう一皮むけないと、安定感というかチームの風格が醸せないようだ。
前半は東口のファインセーブもあり何とか0-2で折り返したことで、後半はG大阪が盛り返す。
一気に仕掛けて1点返し、勢いを得て同点に追いつき、更に逆転をも濃厚に感じさせる展開に持って行ったのはさすがというところで、川崎への雪辱への並々ならぬ意気込みが感じられた。
しかし、勢いを生かせず、仕留めきれなかったことで最後には小林悠の決勝点に沈められてしまった。この辺り、川崎の地力が確固たるものとなっていることを示しているのではないだろうか。
両チームともベストメンバーではないと見たが、ACL・カップ戦・リーグの過密日程を考えた場合に、新加入選手の力量やチームの方向性の確認、選手層の底上げなど、お互いに大いに収穫のあった試合になったと思う。
ゲーム中は「今、身に付けている戦い方をしっかりやりきる事」、トレーニングでは「戦い方のバリエーションを拡げる」ことを目的にしてチーム力を上げてゆくことが、川崎を上回るために必要なことかも知れないとふと思った。
この試合の時点での成熟度と決定力の差で勝敗を分けたが、非常に良いゲームであったと思う。
さ、26日のJ1開幕、27日のJ2開幕、非常に楽しみだ。
2021年01月12日
第99回全日本高校サッカー選手権大会 決勝

【山梨学院 2 (90分 2-2 ) 2 青森山田】
こちらも忘れないうちに。
90分、延長戦でも決着がつかず、ペナルティキック合戦による4-2で山梨学院の優勝で幕切れとなった。
史上初めての無観客の決勝戦。
入りからどうも青森山田のGKが不安定だなぁと感じてみていたら、案の定の2失点。
1点目は難易度の高いシュートではあったけど、打つタイミングを予測できていれば触れたと思うし、2点目は連携ミス・コーチングミスに見えた。
やはりトーナメント戦だと、守備に安定性がないと勝ちきれないものだ。
個や局面では6:4くらいで押されていたものの、ここぞという時に思い切りよくビシッと決めた山梨学院に対し、セットプレイ以外ではプレー精度・攻守のメリハリに欠け、逸機(少なくとも3回は決定的な場面があった)が続きポストにも嫌われた青森山田。
正に試合に勝って勝負に負けた、というところだろう。
特に後半逆転後、山梨学院の運動量が落ちた段階での2度のビッグチャンスをモノにできなかったのが痛かったし、特にサイドから完璧に崩してドフリーな状態でシュートミスした場面の後で明らかに流れが変わってしまった。
コロナ禍でなければ、インターハイやプレミアリーグを通じて試合中の修正を可能にする経験が積めるのだろうけど、そのあたりにやっぱり影響あったのかもしれない。
PK戦では案外押されている方が勝つ、というジンクス通りの結果になったわけだが、青森山田のキッカーの人選もどうだかなぁ...って。もうちょっと普段から想定してないのかなぁって思った。
ただね、PKで決着って、成績というか通信簿をつける的なやり方で優勝決めるのって好きじゃないなぁ。前みたいに両校優勝でいいじゃんって思う。三位決定戦もないんだし...
試合の内容的には非常に面白かったし、純粋にお互いの特徴が出ていて見応えがあったけど、技術的にもJ 3の中位くらいのレベルに十分匹敵していたけど、やっぱり無観客って、エンターテイメントでもあるスポーツには有り得ないって思ってしまった。何より選手がかわいそうだ。
来年の100回大会、コロナ禍が収束し、熱気のある大会になっていることを願う。
2021年01月12日
第29回全日本高校女子サッカー選手権大会 決勝

【藤枝順心 3 (前半 0-0 ) 0 作陽】
令和3年1月10日(日)に行われた決勝。
開始直後から7:3で順心が優勢であったが、作陽DFも落ち着いて対応し前半をしのいでいた。
両チームともに、ボールを止める・蹴る、がしっかりと出来ていてボールコントロールも上手い。ただ、フィジカルというか体格は順心に分があるのが見て取れたのが前半の印象。そのため球際では順心の強さが顕著であった。
また、ミドルレンジでの攻防においても順心が勝り、剥がし方やサイドへの展開において一枚も二枚も上であった。
後半に入っても順心の陣形は非常にコンパクトであり、寄せも早くて、作陽のDFラインは徐々に下がり始める。
全く押し上げることが出来なくなったあたりで失点してしまう。
その後は順心の動きがさらに良くなり、ラッキーな2点目、素晴らしい3点目と安全圏へ。
しっかりと時間を進めて無失点優勝を成し遂げた。
順心はパスのベクトルが常に相手ゴールを意識したものであり、それが作陽を圧倒した要因ではないだろうか?
また、セカンドボールを拾えず、中盤を抑えられたがゆえに間延びしてしまい、順心ゴールを脅かすことが出来なかった。
個々の技術はしっかりしていたがゆえに残念である。
さあ、今年はWEリーグ元年、プロを目指すプレーヤーが一人でも多く出ることを願う。