2024年11月07日
菜根譚56

106.動も静も忘れ去る
人を避けようとするのはまだ自分に捉われている証拠であり、静寂に固執するのは既に心に動揺が兆している証拠である。
109.心の持ち方によって
幸福も不幸も全て心の持ち方から生まれてくる。
心の持ち方を少し変えただけでこの世の中はがらりと姿を変える。
110.粘り強く機を待つ
道を学ぼうとする者はたゆまぬ努力を心掛けよ。
道を求めようとする者はじっくり機が熟すのを待て。
2024年11月06日
菜根譚55

97.自然流の心任せ
世捨て人の風流は自然流の心任せが最も良い。形式に拘ったり慣例に捉われたりすればせっかくの風流も俗世間の付き合いと変わりがなくなってしまう。
99.知者は未然に知る
病気になってから健康の有難さに気付き、戦乱の世になってから泰平の世の有難さが分かるようでは後の祭りだ。
幸福を願いながらもそれが不幸の元になることを見抜き、生を願いながらもそれが死に通じる道であることを承知している者こそ知者である。
102.天性のままに生きる
天性のままに生きている者は欲も薄い。このような人生こそ最も幸せなのである。
2024年11月05日
菜根譚54

89.俗界も仙郷となる
悟りを開けば俗界も仙郷となる。
心に迷いがあるうちは僧侶も俗人と変わりがない。
94.技巧を捨てる
全ての修養は「拙」すなわち技巧を捨てることで進歩も成就もする。
95.悠々たる態度
しっかりと自分の立場を確立し、外物に支配されなければ成功してものぼせず、失敗にも落胆しない。
主体性を失い、外物に振り回されるだけなら感情に右往左往し、執着に捉われ、心を束縛されて自由を失う。
2024年11月04日
菜根譚53

82.無心の境地
過ぎ去ったことは気にしない。見通せない先の事まで思い悩まない。先ず当面の事態に淡々と対処する。
こんな生き方を心掛ければ知らず知らず無心の境地に入っていくことが出来る。
83.作為を捨てる
手を加えぬ自然のままの姿にこそ、本当の味わいがある。少しでも作為を加えればせっかくの妙味が損なわれてしまう。
88.内面が充実していれば
精神が充実していれば粗雑な状況下でも生気を失わない。
心が充足していれば質素な状況下でも人生を深く味わえる。
2024年11月03日
菜根譚52

74.物欲に縛られた悲しみ
物欲に縛られると人生は悲しくなる。物欲に縛られた悲しみを知れば執着はたちまち消え去る。
77.力を蓄える
長い間伏して力を蓄えていた鳥は一旦飛び立てば必ずや高く舞い上がるものだ。
この道理をわきまえていれば途中でへたばる心配もなく、功を焦ってイライラすることもない。
78.気付くのが遅すぎる
人間は棺に納まる時になって初めて、身内や財産が何の役にも立たないことに気付く。