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Posted by naturum at

2022年01月20日

荀子(12)

《王制⑥》

「人間が春夏秋冬の環境に従って生産活動に従事し、利益を生み出すことが出来るのは社会秩序と礼・義があればこそである」

*社会秩序および礼と義があれば人民が安定した活動が出来るというのは現代もそのまま当てはまる。

「人間は先天的に社会生活を営むようになっているが、社会に秩序が欠けていれば争いが起こるし、争いが起これば社会は(更に)乱れる」

*社会秩序の乱れが争いを呼び、そして負のスパイラルに陥ってしまう。今の日本はその入り口に立っている気がしてならない。

「国は存続の条件が揃えば存続し、滅亡の条件が揃えば滅亡する。治乱興亡の原因は全てその国家自体にあるのであって、他国にあるのではない」

*当たり前のことを言っているのだが、やはり内憂の方が恐ろしいという事であろう。しかし、どんなに優れた国家・組織でも寿命というのがあると思う。つまり、滅びない国家・体制・組織はないということである。  
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Posted by godman at 11:16荀子(中国の思想)

2022年01月19日

荀子(11)

《王制⑤》

「徳のある者すべて重用し、能のある者は必ず任用し、功績のある者は必ず賞し、罪を犯した者は必ず罰する。これが王者の人事管理方式である」

*至極、当たり前のことを言っているのだが、実践は難しい事なのかも知れない。ゆえに敢えて「王者の~」と強調しているのだろう。少なくとも罪を犯した者は必ず罰せられる世界であって欲しいものだ。

「農作物には一定の税を課す。関所や市場は課税せず監察を厳しくする。林業・漁業は禁止期間を設けるのみで課税しない。生産の増大によって人民の生活を向上させようというのが王者の経済政策である」

*再生産出来るものには課税、経済活動や出入国は不正を監視するが課税はしない。無主物資源は維持管理をしっかり行いこれも不課税とする。正当な経済活動を助けて民間の経済力を向上させるという構造は今も昔も求められるものであろう。

「物質の流通のおかげで沼沢地の住民でも木材に不自由しないし、山地の住民でも魚に不自由しない。農民は大工や鍛冶屋の真似をしなくても農具に不自由しないし、職人や商人は百姓仕事をしなくても食料に不自由しない」

*これは交易・物流・商品経済の利点を述べたもの。先の王者の経済政策の結果、上記のような社会的利点が期待できるという。

・中国の戦国時代において、生産が高まるにつれて社会的な分業も進み、商品経済が日常生活に大きな役割を担うようになった。  
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Posted by godman at 14:40荀子(中国の思想)

2022年01月18日

荀子(10)

《王制④》

「(諸侯の領土を)併合する野心が無い事を行為で示し、(諸侯と)対等な交際を守ることを誠意をもって保証するならば、このような覇者はもし王者が居なければ向かうところ敵なしである。これが真の覇者たる道である」

*覇者とは、群雄の力関係の均衡のもと、絶妙のバランスをとって確立する者であるらしい。実力・国力もしっかりしていながら、他国に損害を与えることが無く、対等の国際関係を築いてゆく大国の代表者、といった風のものであろう。

「(仁愛、正義、威厳により)戦わずして勝利を収め、攻めることなく諸侯を従え、兵火を交えるまでもなく天下に君臨する。これこそ真に王者たるの道である」

*王者>覇者>強者、の格付けである。そこには武力をいかに用いないかがポイントであり、人格によって畏れ入るというような統治を最上としているようだ。

  
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Posted by godman at 14:42荀子(中国の思想)

2022年01月17日

荀子(9)

《王制③》

「重税の取り立ては侵略を招き、敵国を肥らせ、自国を滅ぼし、挙句の果ては君主自身の生命を危険にさらす」

*国家を成り立たせる根幹は人民であるが、その人民に重税を課す愚策を強く批判している。民間活力が疲弊してしまうと領土のみならず経済的、文化的にも侵略され、科学や学問、思想でも後れを取ってゆく。それにより『敵国を肥らせる』というよりは『自国を瘦せ衰えさせる』というのが正しいだろう。そうなれば二国の力関係は明白となり、差は広がる一方になってゆく。終いには国が滅び、統治者は駆逐されるのである。

「王者は民心獲得に努め、覇者は同盟国獲得に努める。そして強者は領土獲得に努める」

*王者は利益は眼中になく人民との共生社会を求め、覇者は間接的に利益を得るためにその地位を求め、強者は直接的物欲を満たそうとする。現在の国際社会において、中国、米国、ロシアなどはこの覇者を目指して覇権を得た後の利益を貪ろうとしているように見える。

「強者、則ち武力主義者は常に武力で立ち向かう。当然相手国の人民に莫大な損害を与え、激しい憎悪を抱かせる。又、武力にのみ頼れば相手国だけでなく自国の人民へも莫大な損害を与え、激しく憎悪される」

*好戦的な国家の行動は凶悪な自己満足にすぎないと思う。自分たちの正当性を何がなんでも認めさせようとし、受け入れない相手へは攻撃を加え排除しようとする。今は国家だけでなく、テロ組織、非合法組織、など更に見境の無い凶悪な組織が掃いて捨てるほどある。

「(真の)強者たるの道が本当に分かっていれば、軍備の強化ばかり夢中になってやるはずがない。国力が充実すれば他国に圧迫されず、君主の徳が高ければ他国に侵略されることが無い。これこそ強者たる道である」

*真の強者たる道とは≒富国強兵、ということか。確かに他国を侵すことを考えず、自国と自国民の安定・隆盛のみを目指した場合はこれが理想の姿であろう。これからの時代は超人口減少社会に進む。いかにその時の人口で国家を運営してゆくか?というテーマに考え方を変えるべきなのかもしれない。  
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Posted by godman at 14:06荀子(中国の思想)

2022年01月14日

荀子(8)

《王制②》

「全ての人が平等であっては人が人を使役出来なくなる。天と地が分かれているように人間には階級区分があるのが自然なのだ

*現実的な考察である。人間社会をうまく運営することを考えた場合、全ての人が同じ役回りになってしまえば立ち行かなくなるのは想像に難くない。社会の中で各々に適した役回りがあり、また、必要な役回りの種類は様々にある。だからこそ【適材適所】を各自が意識して生きるべきだと思う。

「君主が地位の安定を図るなら、政治を公正に行い人民を愛することだ。国家繁栄には、礼を尊重し優れた人物に敬意を払うことだ。功名を成すには、賢者を登用し有能な人物に仕事を与えることだ

*公正な政治と人民を愛することが『君主の地位の安定』の秘訣であるあたりは現実的で面白い。国家繁栄は優れた人物に敬意を払うことで...云々なんて、優秀な人物群をおだててやる気にさせると上手くいくっていうことに解釈できるし、功名を成すなら、優れたアドバイザーや部下を得ることというまさに人情の機微を捉えた実際的な格言である。

「礼による教化を実行するのが王者であり、立派な政治を行うのが強者である。王者のもとでは民衆が富み、覇者のもとでは官僚が富んでいる」

*王者はその人格により民衆の自発的な政治(自治に近い印象)であり、覇者のそれは機構(システム)による上意下達的な統治、なのだろう。強者の政治も、どちらかと言えば『従わせる』ニュアンスを感じる。  
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Posted by godman at 13:39荀子(中国の思想)