2021年01月29日
左伝(7)
【斉の桓公制覇の時代】
晋の献公が側室を正夫人にするかどうかを占った。吉と凶、真っ二つに分かれたが、都合のいいほうを取ろうとしていた。
それを見かねた卜官(占い師)が諫めて言う。
「匂いの良い草に、(匂いの)悪い草を混ぜて植えてしまえば、十年後には悪臭だけが立ちこめる」
朱に交われば赤くなる、と同義だと思われる。複合汚染の弊害を述べた言葉。
晋の太子・奚斉の後見人である荀息。暗愚な太子が暗殺された際、献公に後見人を命じられた彼は殉死してしまう。それを識者が評した際に引用した詩経の言葉。
「一度口にした過ちは、もはや取り消すことはできない」
一度請け負った責務は、果たすまで消えることはない。昔は『責任の取り方』が過激で、ある意味純粋であった。
しかし、責務が正しいことかどうかも正確に判断して、邪な依頼を断ることも今の世の中大切だと思う。
現在社会は特に些細な過ちさえも許さない非常に息苦しい世界。批判にさらされるものばかりではなく、批判する側も、その批判意見に責任を負うことを忘れてはならない。
晋の献公が側室を正夫人にするかどうかを占った。吉と凶、真っ二つに分かれたが、都合のいいほうを取ろうとしていた。
それを見かねた卜官(占い師)が諫めて言う。
「匂いの良い草に、(匂いの)悪い草を混ぜて植えてしまえば、十年後には悪臭だけが立ちこめる」
朱に交われば赤くなる、と同義だと思われる。複合汚染の弊害を述べた言葉。
晋の太子・奚斉の後見人である荀息。暗愚な太子が暗殺された際、献公に後見人を命じられた彼は殉死してしまう。それを識者が評した際に引用した詩経の言葉。
「一度口にした過ちは、もはや取り消すことはできない」
一度請け負った責務は、果たすまで消えることはない。昔は『責任の取り方』が過激で、ある意味純粋であった。
しかし、責務が正しいことかどうかも正確に判断して、邪な依頼を断ることも今の世の中大切だと思う。
現在社会は特に些細な過ちさえも許さない非常に息苦しい世界。批判にさらされるものばかりではなく、批判する側も、その批判意見に責任を負うことを忘れてはならない。