2023年01月11日
第101回全国高校サッカー選手権大会 決勝

岡山学芸館(岡山) 3 (前半 1-1 ) 1 東山(京都)
とびぬけて上手い、強い、という選手は見当たらなかったが、どちらも勤勉で『テクニック』や『タクティクス』、『インテリジェンス』というもののエッセンスには乏しいものの、その分【運動量】を拠り所にして相手を上回りたい、形はどうでもいい、というようなやり方に感じた。
体格と展開力、ゴール前でのアイデアの数は東山に少しだけ分があるが、いかんせんこの試合に限って言えば『決定力』に欠けていたし、後半20分過ぎからは明らかに運動量が落ちた。また、前半からDFに何度も隙が生じ、決定的な場面を作られていたことも見逃せない。
岡山学芸館は、運も味方し(1点目、3点目は再現性に乏しく、ラッキーな得点に思える)、最後まで運動量・プレー強度を保てたことが勝因か?
しかし前半のあえて攻め手を制限してブロックを作って守りから入ったやり方を狙ってやっていたとしたらかなりの策士と言える。事実、先制点までは東山のほうが優勢でゲームを支配していたのだから...。
気になったのは、クラブチームのユースと比べ、パス出しのタイミングや攻めのバリエーションには乏しさを感じられ、プロフェッショナルを身近に感じている者とそうでない者の差が確実に拡がっている印象を受けたこと。遅かれ早かれ、プレミアリーグがこの年代の最高峰として注目度が逆転する日もそう遠くはないのではないだろうか。
かつての〈サッカー王国〉とそれ以外のような地域格差は実際はほぼ無くなっていて、各校の独自性が際立つ(中堅の私学に多い気がする)、か、逆に、新しい概念・テクノロジー・他校&クラブの長所を積極的に取り入れる標準化(後発・新興の高校がこのグループに多い)、が進んでおり、今の高校サッカーではこのどちらかに特化しないと勝てないと思った。
でありながらも、やはり高校サッカー界のトレンドは【没個性のサッカー】ではないか?個人としての将来性、スケールアップよりも、集団として求める結果、に固執するあまり、可能性に溢れた個が、集団の利益を重視するインテンシティ重視のサッカーに潰されているようで、今回は特に興醒め感がありありだった。
なんだか、高校サッカー上がりで代表を張るプレーヤーや、ワールドカップに立てるプレーヤーは今後絶滅しそうに思えた。
Posted by godman at 16:39│Comments(0)
│サッカー評2023